センシング技術

センシング技術とは

ヒトには生まれつき、周囲の状況を調べるための感覚器官(目や耳など)が付いていますが、
温度や距離など、具体的なことまではわかりません。

そこで便利なのがセンシング技術です。

センシング技術とは、センサーで周囲の環境を計測して、ヒトが理解しやすい数値などに変換し、情報を得る技術です。

当社は、創業当初から特に音波、電波、光波などの波動を利用したセンシングを得意としており、「技術のコーデン」として、日々積極的な開発を行っています。

コーデン製品例

レーダー
回転するアンテナで電波を放射し、物体から跳ね返ってくる電波を受信することで、目標物の位置を調べます。
魚探(魚群探知機)やソナー
水中に超音波を発射し、物体から跳ね返ってくる情報を捉えて位置や大きさを調べます。
方探(方向探知機)
アンテナで電波を受信して、その電波の方向を特定します。
この技術は、ビルの屋上などにセンサ局(方探)を設置することで、違法電波の監視などにも応用されています。

開発成果はマリン製品紹介ページ 産業用機器紹介ページにて随時紹介しますが、
ここでは、当社がセンシング技術を応用して取り組んだ開発事例をご紹介します!

開発事例

マリンレーダーを用いて、JAXA小惑星探査機「はやぶさ2」ミッションに貢献

JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で、地上と宇宙のDual Utilization を果たすべく、固体素子マリンレーダーを開発しました。
開発したレーダーは小惑星探査機「はやぶさ2」の帰還カプセル回収ミッションにも採用され、30 km以遠の探知、カプセル着地点近傍240mまでの追尾を果たして、迅速なカプセル回収に貢献しました。

ミッションに向け、設置完了したマリンレーダー

船舶業界の将来的な課題に向け、自動航行・操船省力化に寄与する機器の開発

船舶の自動航行や操船作業の省力化に寄与する機器の開発を行っています。レーダーやAISのような従来の航法計器に加え、3次元の障害物情報が得られる3D-LiDAR(Light Detection And Ranging)や、cm級の測位が可能なGNSSコンパス、精密な姿勢把握が可能な慣性航法装置などを融合してマルチモーダルなシステムを開発しました。ヤンマーホールディングス株式会社と共同で実施した開発成果は、計測自動制御学会において「論文賞蓮沼賞」を頂きました。

3D-LiDARの映像例

高度情報化社会に貢献するために、あらゆるセンサーを統合するIoTクラウドシステムの構築

高度情報化社会の発展に資するビックデータ創出のために、当社のセンシング機器のみならず、様々なセンサーデータを統合するIoTクラウドシステムを構築しました。構築したシステムは、各種センサーの取得数値や映像の統合が可能で、取得データのAI解析なども用意しています。
マリンや産業機器分野はもちろんのこと、農業や防災など、広く発展させていきたいと考えます。

農業向けシステムの設置風景

マリンレーダー技術のさらなる向上に向け、各種研究機関とのレーダー技術に関する共同研究

当社主力製品の一つであるマリンレーダーの開発技術向上のために、各種研究機関とレーダーを題材とした共同研究を行っています。一例として、大阪大学とは簡易型の気象レーダー、JAXAとは小型フェーズドアレーレーダー、鹿児島大学とは噴煙観測レーダーの開発を行いました。
共同研究の成果を当社マリンレーダーに応用し、お客様にご満足頂ける製品の提供に励んでいきます。

気象レーダー
フェーズドアレーレーダー

漁業活動の効率化を支援する、ユビキタス魚探による定置網モニタリング

定置網内の魚群をいつでもどこでも「見える化」するために、バッテリー駆動型の音響計測器を搭載した海上ブイと、無線通信ネットワークを介してタブレット端末等で魚群を確認できる可視化アプリケーションを開発しました※。魚群の入網状況を確認してから出漁の判断ができるため、効率的な漁業活動に貢献できます。
※ 共同研究機関:公立はこだて未来大学、日東製網株式会社、東京農業大学

海上ブイ
表示画面例

無線方位測定装置の技術を応用して、不正端末の位置推定装置を開発

東京科学大学(旧東京工業大学)との共同研究により、当社製品「無線方位測定装置」の技術を応用して、携帯電話による入試の不正行為検出装置を開発しました。この装置では、マルチセンサー型位置推定システムに機械学習を適用することで、端末の通信電波から伝搬路の特徴量を自動的に学習して位置推定を行います。入試会場を模擬した実証実験では、平均位置推定誤差0.5 m以下の精度で座席が特定できることを確認しました。

入試イメージ