情報保護技術
ここでは、当社の情報信号処理技術の一つである「情報保護技術」の研究成果について紹介します。
研究背景
情報保護技術は古くから存在しますが、1990年代後半から2000年代初頭にかけてインターネットが爆発的に普及したことにより、個人情報や企業情報などの情報保護を活用する場面も広がりを見せました。
現在においては、ネットショッピング等が安全に利用できることにも寄与しており、私たちの生活を支える技術となっています。
私たちは、社会での需要が高まる前の1970年代から専門の研究組織を社内に構築し、情報保護技術に取り組みました。以降、時代の変化や技術の変遷に応じた研究を継続的に実施しています。
近年の研究活動
情報保護技術は今まさに転換期にあり、業界全体を通じて、次世代技術の利用に向けた様々な研究が行われています。
私たちは、学会や弊社刊行物(光電技報)を通じて研究成果の一部を広く発信すると共に、多くの学会に参加して業界全体の研究動向を把握し、弊社独自の研究課題に取り組んでいます。
基礎研究事例
- 既存技術の安全性に係る研究
- 次世代技術の効果的な利用法に係る研究
- 情報保護に寄与する新たな手法に係る研究
参加学会
- 電子情報通信学会
- 日本数学会
- 日本応用数理学会
- 暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS)
- Crypto/EuroCrypt/AsiaCrypt 他多数
近年の発表実績
- ポスト量子暗号の標準化同行(光電技報2019)
- 混合整数線形計画法を利用するcube攻撃に関する最新の進展(光電技報2020)
- 格子問題の困難性に基づく耐量子鍵共有法(光電技報2021)
- 超特異楕円曲線間の同種写像を利用する耐量子鍵共有法(光電技報2022)
- 同種写像暗号CSIDHのHesse曲線による構成(光電技報2023)
- 重さ2のHecke固有形式の二次捻りに対するL関数の中心値の2進付値(KANT2024)
活躍する学術分野
私たちの研究する情報保護技術には、数学や数理科学の知識を活用する場面が多くあります。
特に、整数論・代数幾何、確率・統計、数理最適化、グラフ理論等の分野で得た知識や経験を活かすことができます。
その他の学術分野においても、論理的に物事を考える力や、分析力、解析力を習得していたり、探求力や創造力に優れた力を有していたりすることで、その力を大いに発揮することができます。