数学・数理科学専攻若手研究者のための
異分野異業種研究交流会
特設ページ
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- 研究活動紹介 -
■ はじめに
私たちは、信号処理技術を製品展開する一環として、暗号技術の研究に取り組んでいます。
暗号技術を目に見える形で確認することは難しいですが、現在の世の中で様々な場所で活用されています。電子マネーやネットショッピングの様なインターネット環境の他にも、映画館や飛行機のチケットレスサービスが気軽に利用できるのも、暗号技術が社会を支えているからなのです。
今や暗号技術は、安全で便利な社会の実現において必要不可欠な技術になっています。私たちは、分野を共にする他の研究者の方々やお客様との意見交換等を通じて、暗号技術をより良い社会の実現に向けて活用するため、日々研究に取り組んでいます。
ここでは、私たちの研究を取り巻く背景と、私たちの取り組みを説明させていただいた上で、活動の一部を紹介させていただきます。
皆様の興味をそそると共に多角的な視点を提供でき、私たちの活動にご理解が得られれば嬉しいです。
■ 技術背景
暗号技術は時代と共に移り変わります。
一度、安全な暗号を構築したら、ずっと安全に利用できるというものではなく、時代の変化を追従し、 "備えるべき安全性" を確保し続ける必要があるのです。
そのため、日々、暗号を取り巻く技術状況の変化と発展に目を向けておく必要があります。
近年の大きな動きとして、量子コンピュータの実現が挙げられます。
量子コンピュータの実現により、ビッグデータの解析技術や、AIの能力向上等が見込まれており、医療や交通システム制御の分野が飛躍的に発展することが期待されています。
しかし、暗号の世界においては、これまでの暗号方式が解読されてしまうリスクが判っています。そのため世界中の暗号技術者は、量子コンピュータが実現しても解読耐性を持つ暗号方式の研究に取り組んでいます。
現在の暗号方式を解読できる量子コンピュータが、いつになったら実現するかは専門家でも意見の分かれるところです。しかし、実現してから手を打ったのでは手遅れになってしまうので、実現しても大丈夫な様に「転ばぬ先の杖」を突く訳です。
■ 当社の取り組み
光電製作所では、情報処理装置として暗号機能を搭載した通信機器の設計開発を行っており、安全で安心なネットワーク環境の構築をお手伝いさせていただいています。
暗号技術に関するR&D組織として特機技術部研究課を設置し、暗号技術に関する情報収集および調査研究に従事しています。
研究課では、暗号アルゴリズムの設計開発を行うため、学会参加等による情報収集に加えて、様々な研究活動に取り組んでいます。その一部を紹介します。


■ 活躍できる学術分野
暗号理論の技術的背景には数学・数理科学が深く関わっており、研究課においても数学・数理科学を学んだ博士人材が研究開発に従事しています。
暗号技術を支える数学・数理科学には、整数論・代数幾何を始めとし、確率・統計、数理最適化、グラフ理論 等々、様々な分野があります。
数学・数理科学を履修していることは必須ではありません。分野を問わず、専門的な知見を有する方の、自身の専門性を他分野においても発揮していただくことのできる能力に期待しています。多角的な視点を導入することで、イノベーションを促進するのは勿論ですが、単一分野の専門知識だけでは解決困難な課題が、複数の専門知識を取り入れることで包括的な対処ができる様になったりもします。
必要なのは探求心(知的好奇心)と、それを満足する行動力(実行力)です。
暗号技術の研究開発を通じて、社会の安心・安全に貢献する研究者を歓迎しています。
求める研究者像
・自身の専門性を活かしつつ、暗号技術に関する幅広い知見を探究する研究者
・顧客のニーズを把握し、求められる製品を実現できる創造性を有する研究者
■ Q & A
Q. 勤務地はどこですか?
東京都大田区多摩川にある「多摩川事業所」になります。
東急多摩川線「矢口渡」駅から、徒歩10分の場所にあります。
Q. テレワークはできますか?
仕事に慣れて貰うまでは会社に出勤して貰いますが、その後は研究内容によってテレワークをして貰う場合もあります。
毎週1~2日(月間5~8日程度)の頻度でテレワークをしている実績があります。
Q. インターンシップはありますか?
研究者を対象としたインターンシップについては、現在検討中です。
実施内容や待遇等を含めて、調整の上で受け入れさせていただくことはできるかも知れません。
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